
信託は法人格を持たず、受益者に所得を分配する導管にすぎないため、法人税を課する必要性を欠きます(信託導管論)。そこで、信託自体に法人税は課されず、受益者が直接信託財産を保有しているものとみなし、
◆ 収益発生時に受益者に所得税等を課税することを原則とします。
(法人税法12 条、発生時受益者課税の原則。これは民法上の組合と同様です)。
◆ ただし、合同運用信託など同条但書に列挙されている類型の信託については、受益者が多数に上るといった事情があるため、収益受領時に受益者に課税することとされます(受領時受益者課税)。
◆ また、特定目的信託などについては信託段階で法人とみなして課税(法人課税)する一方で、一定の要件を満たす場合に支払分配金を損金に参入することを認め、二重課税を回避すします(これは特定目的会社や投資信託、投資法人と同様です)。
新信託法により受益証券発行信託などの新たな類型の信託が創設されたこと、それに伴い租税回避を防止する必要が生じたことにより、以下のような改正が行われました。
→ 一定の要件を満たすものは受領時受益者課税
→ 一定の場合は相続税・贈与税をも課税。
→ 一定の事業信託等 - 法人課税
※ 本改正により、信託法上は有用であるように見える類型の信託が、税務上は大きなデメリットをもたらすことがあり得ることとなったため、注意を要します。